豪州で医者に診てもらう【1】診察料のしくみ


日本で体の具合が悪くなったら、まず体のどこの具合が悪いかによって病院を決めます。内科、外科、皮膚科などいろいろありますね。つまり医者にかかる最初の段階で、患者は特定の分野の医者を決めることになります。

一方、オーストラリアでは、体の具合が悪くなったら、それが体のどの部分だとしても、まずは「一般開業医(GP、General Practitioner、ジェネラル・プラクティショナー)」という医者に診てもらうことになります。

彼らは患者のどんな病気でもまずは対応し、必要な場合は薬を処方します。そして、患者の経過をみて「薬の処方だけでは改善しない」、または「自分の手に負える症状ではない」と判断すると、それぞれの分野の専門的な医者に患者をまわすことになります。

症状の軽い患者はGPで捌き、そこで捌ききれない患者は次ステップへ、という二段階構造になっています。

オーストラリアでGPが患者を診察する場合、GPは「国が定めた診察料金(Scheduled fee)」に上乗せして各自で判断した上での「追加診察料金」を患者に請求することができる、という法律になっています。要するに自分で自分にチップをあげることができるようなものです。

追加診察料金をいくらにするかは各GPの裁量にゆだねられていますから、あるGPが儲けるためにその値を法外に高くしようと思えばそうすることも可能です。

しかし、GPの世界も競争社会なので、あまりに高い追加診察料金を請求してくるGPには患者は集まらなくなります。ですから、だいたいどのGPも同じくらいの追加診察料金を課すことが多くなります。私の今までの経験では、20ドルから30ドルくらいが追加診察料金の相場です。